前回に引き続き、宅建試験の実施機関である不動産適正取引推進機構の発行している
季刊誌「RETIO」(No.100)の「平成27年度宅地建物取引士資格試験実施結果概要」の資料より
気になる点を記載いたします。
昨年(平成27年度)の宅建試験受験申込者数は、
全体的では194,926人と1.5%の微増ながら2年連続で増加しています。
「申込者職業別内訳」のデータを見てみると、
「金融業」の増加率が一番高く、対前年比8.7%の増加となっている反面、
「学生」は▲9.2%と大きく減少しています。
多くが増加している中、「学生」だけが減少したのは、なぜでしょうか。
それは、昨年度の「就職協定の変更」が最大の要因だと推測できます。
従来、不動産会社への就職を希望される学生は、
内定等が確定する時期と宅建試験の申込期間がうまく合っていました。
採用する会社も、学生への宅建受験を奨励し、学生の多くも受験されたと思われます。
昨年度は、この時期がずれてしまった関係で、減少したと推測されます。
しかし、今年は再度「就職協定の変更」がされた結果、
また、内定の時期と受験申込期間がマッチするため、
多くの学生の皆さんが受験されると思われます。
そして、ひきつづき昨年度の「合格者職業別内訳」を見ると、
「学生」の合格率は、全体の15.4%より約2ポイントも高い17.3%でした。
つまり、合格率の高いライバルの学生が増加することなります。
統計上の数値ですが、ご参考までにお知らせいたします。